住宅を購入するなら「できるだけ長く快適に暮らしたい」と考える方が多いのではないでしょうか。
結婚、出産、子育て、そして老後とライフステージは数年ごとに大きく変化し、その度に家に求めることは変わってきます。
しかし、住宅購入時から将来を見越した住宅の選択は簡単なものではありません。
そこで、この記事ではライフステージの変化に対応するための住まいの条件と環境についてまとめました。
この記事を読むことで、「何年経っても快適に過ごせる住まい」の見つけ方の参考になるのでぜひチェックしてみてくださいね。
住宅購入でライフステージを考えるべき理由は「親の暮らしの変化」
ライフステージとは結婚・子育て・独立・老後といった人生の段階のことです。
結婚後から数年単位でライフスタイルが変化し、子どもの成長や独立とともに、暮らしに求める条件も少しずつ変わってきます。
特に子育て世帯と高齢世帯では住宅に求めるものが大きく異なります。
国土交通省の調査では住まいに対する価値観の違いが明確に表れています。
子育て世帯で最も重視されていたのは「治安(環境)」ですが、高齢世帯では「日常の買い物などの利便(環境)」となっています。
【住宅・居住環境に求める重要度】
| 子育て世帯 | 高齢世帯(65歳以上) | |
| 1 | 治安(環境) | 日常の買い物などの利便(環境) |
| 2 | 通勤・通学の利便(環境) | 地震時の安全性(住宅) |
| 3 | 日当たり(住宅) | 治安(環境) |
(出典:平成30年住生活総合調査(速報集計)、 平成30年住宅・土地統計調査(住宅の構造等に関する集計) の結果の概要(令和2年1月31日公表):国土交通省)
暮らしに求める条件が変わるからこそ、今の子どもたちとの生活を考えることも大切ですが、親の暮らしの将来を見据える視点も欠かせません。
着目するポイントとしては家の内面(構造や間取りの部分)と家の外面(家周辺の環境や立地)があります。
この2つについて考えることで、長く住み続けた後の大きな後悔を避けられるので整理して考えていきましょう。
ライフステージの変化に合わせて対応できる構造と間取りの考え方
それぞれのライフステージで、快適な間取りや構造が異なりますが、ライフステージごとに大規模なリフォームを行うのは現実的ではありません。
そのため、将来の変化を前提に構造や間取りの可変性について計画しておくことが必要です。
仕事や働き方の変化に対応できる
住宅購入後に転職や転勤になることは多々あります。特に最近ではリモートワークや在宅ワークも増えてきているので、自宅に仕事のスペースを確保したい
という人も多いでしょう。そのため、仕事に大きな変化があっても、対応できる家の設計(可変性のある部屋やワークスペースの確保)をとり入れていくことが大切です。
【チェックポイント:仕事】
- ・可動性の間仕切りや建具で半個室にできるスペース
- ・配線、コンセントの十分な数
- ・音対策(防音やドア位置について)
子育てにおける親の役割の変化
幼少期は家の中でも見守りが必須ですが、学童期以降は自分でできる環境やプライバシーの確保が大切です。子どもの成長に伴い、家での親子の関わり方にも
大きく変化があるので、子ども部屋やリビング内のスタディスペースなど、自分たち家族にはどんな環境が必要か考えると良いでしょう。
また、子どもに個室を作る場合は子どもの独立後に部屋をどう使っていくのかも事前に検討しておくことが必要です。
【チェックポイント:子育て】
- ・リビングのスタディースペースの採用
- ・兄弟構成に合わせて間取りを変えられる設計
- ・子どもの個室の位置について(リビング内を通る設計など)
子ども部屋について考えている方はこちらの記事も参考にしてみてくださいね。
▼関連する記事はこちら
リビング学習が注目される今、子ども部屋って必要?小学校入学前に考える家づくりのヒント
将来の親の介護を考える
子どもの独立後に親の介護が必要になるケースも。介護するとなった場合は、同居する際の部屋は確保できるのか、介護がしやすい動線の確保はできるか
といった点について家族で話しあっておく必要があります。
介護が必要になった際に考えるのは、手間も労力も大きくかかるので、自身が若いうちから行動するのが良いでしょう。
【チェックポイント:介護】
- ・同居する場合の部屋の確保はできるか
- ・生活支援をする場合の浴室や廊下の広さは十分か
- ・実家と自宅の行き来に階段や段差などの不便はないか
自分たちの老後を見据えた住まい設計
子どもが独立した後は夫婦2人暮らしになることがほとんどです。高齢になるとわずかな段差や長い動線が大きな負担になります。
そのため、リフォームが必要になった際に小規模のリフォームで住むように購入の際からイメージしておくことが大切です。
【チェックポイント:老後】
- ・手すりやスロープをつけられる家の余白
- ・生活が楽になる動線(寝室、水回り、収納の近接)
- ・使わなくなる部屋の管理について
▼実例:老後も快適に暮らせる設計
この間取りでは、1階部分に和室、キッチン、洗面、トイレが1階に集約されているので将来的に2階を使わなくても暮らしやすい設計が組まれています。
6畳の和室は寝室や介護スペースとして活用することができます。また、洗濯動線(洗面所からサンルームまで)が一直線になっていることで
移動や家事の負担を少なくできるのもポイントです。
このように、今の便利さだけでなく、将来の快適さも見据えて住まい設計することで、長く快適に過ごせる家になります。
ライフステージを踏まえて選ぶ環境と立地の条件
ライフステージを考え住まいを検討する中で、住宅の環境や立地は家の内面と同様に重要です。
ここではそれぞれのライフステージをイメージした上での環境や立地選びについて解説していきます。
子育てしやすい街とは?エリア選びで重視すること
子育て期間はおよそ18年。子育てしていく上で、間取りや家事動線といった家の内面だけでなく、子どもにどんな環境で育ってほしいか
といったことも考える必要があります。住む地域によって子育て支援や教育について差があるのでしっかりと事前に調べておくと良いでしょう。
【チェックポイント:子育て】
- ・子育て支援はどんなものがある?(子ども医療費や保育料助成制度など)
- ・保育園や学童施設は充実している?
- ・学区や教育体制はどうなっている?
子どもの教育について気になる方はこちらの記事もチェックしてみてくださいね。
▼関連する記事はこちら
仕事と生活のバランスを保つ立地の考え方
仕事と生活は密接な存在です。そのため、快適に仕事ができる環境や通勤負担は生活の満足度を左右します。例えば、通勤時間が長くなってしまうと
家族との時間が削られたり、体力面でも負担になります。現在の仕事の状況だけでなく、数年後も見越した上で、住宅環境を選ぶことがポイントです。
【チェックポイント:仕事】
- ・転勤や異動になった際の通勤は現実的か
- ・公共交通機関の利便性
- ・車通勤であれば周辺道路の混雑具合
実家との距離が与える暮らしへの影響と備えるべきこと
住宅選びで悩むことのひとつとして実家との距離があります。
実家が近いと、子育て期は親からのサポートを受けやすいといったメリットもある一方で、親が高齢になると介護や相続といった課題もでてきます。
そのため、夫婦で将来を見据えてしっかりと話し合うことが大切です。
【チェックポイント:実家との距離】
- ・子育てのサポートは見込めるか
- ・実家までのアクセス手段が複数ルート確保されているか
- ・自宅から高齢の親のサポートをする際の移動時間や手段は現実的か
老後も快適に暮らせる街の条件とは?
夫婦2人暮らしになり、高齢になる日常生活で不便を感じることが増えます。
例えば、足腰が不安で外出しなくなり、生活する上での買い物や通院に困るといったことです。
高齢になると車での外出も難しくなるので、自宅周辺の環境は自分たちの老後でも快適に暮らせそうかしっかりと考えておく必要があります。
【チェックポイント:老後】
- ・病院やスーパーへのアクセスは良いか
- ・車がなくても公共交通機関などの代替の移動手段はあるか
- ・坂や階段といった地形の負担は少ないか
まとめ
ライフステージにあった住まいにするためには、今の暮らしだけでなく、自分がどんな人生を送りたいのかといった将来の暮らしを思い描いておくことが大切です。
もちろん、人生計画通りにはいきませんが、あらかじめ予測して計画を立てておくことで、柔軟に対応できる住まいになります。
住まい選びは「自分たちらしい暮らしとは何か」について考える最高のタイミングです。
このタイミングを活かして、どんな暮らしを送りたいのか家族で話し合ってみてくださいね。

