30代育児世帯にとって将来への備えは悩みの連続です。特に、教育費・住宅費・老後資金の三大出費は家族のライフプランを立てる上で外せない支出となります。「将来に備え貯金してはいるけれど、本当にこれで蓄えは足りるのか?」と不安に思うご家庭も多いのではないでしょうか。
どのくらいの額の資金が必要なのか曖昧なままでは、具体的な対策も立てられません。 この記事では、教育費・住宅費・老後資金の三大出費の資金の備え方について具体的に解説していきます。この記事を読み終えた頃には、将来に向けた家計戦略を立てられるようになり、育児と資産形成を両立できるはずです。
30代育児世帯が直面する三大出費の支出目安
子育て世帯が直面する教育費・住宅費・老後資金の三大出費は、いずれも数百万円〜数千万円単位の大きな支出です。これらの出費は人生の異なるタイミングで必要になるため、必要額と資金を貯めるタイミングについて全体像を把握しておくことが大切です。
どれか一つでも準備が遅れると、家計に大きな負担がかかる可能性があります。将来の安心のためにも、目安金額を知り、早めに備えることが家計管理の第一歩です。
1.教育費
教育費は子どもの成長とともに段階的に増えていきます。特に高校・大学進学時にはまとまったお金が必要になるため、早期の準備が重要です。さらに、塾や習い事などの学校外費用も加わるため、実際の負担はさらに増える傾向にあります。そのため、子どもが小さいうちから学資保険や積立を始め、進学時の出費に早めに備えるようにしておくと安心です。
全て公立で幼稚園から大学まで通った場合、一人当たりの平均額は、合計約822.5万円、全て私立で幼稚園から大学まで通った場合、平均約2,307.5万円かかると言われています。お子さんを公立と私立どちらに進ませるか、ご家庭でよく相談してライフプランを立て、教育資金を蓄えておくことで、いざというときに慌てず対処できるでしょう。
また、「日本政策金融公庫」のサイトでは、教育費がどのくらいかかるかシミュレートすることができます。ぜひ教育費の目安を算出してみることをおすすめします。
| 全て公立の場合 | 全て私立の場合 | |
| 幼稚園 | 47.3万円 | 92.5万円 |
| 小学校 | 211.2万円 |
1,000.0万円 |
| 中学校 | 161.6万円 | 430.4万円 |
| 高校 | 154.3万円 | 315.6万円 |
| 大学 | 248.1万円 | 469.0万円 |
| 合計 | 約822.5万円 | 約2,307.5万円 |
引用:「日本政策金融公庫」
2.住宅費
住宅費は購入価格だけでなく、維持費やローン金利も含めて考える必要があります。また、住宅ローンの返済に加え、固定資産税や修繕費、管理費などのランニングコストも忘れてはいけません。
住宅ローンの返済額が家計の3割を超えると、生活にゆとりがなくなるリスクが高くなります。物件選びの際は、価格だけでなくそれ以外にかかる支出も見据えて判断することが重要です。
【住宅購入にかかる費用の目安】
- 住宅購入費
購入可能な住宅価格の目安は、年収の6〜7倍が目安とされています。例えば、年収500万円なら3,000万円〜3,500万円、年収800万円なら4,800万円〜5,600万円程度が目安となります。
- 頭金
住宅ローンの頭金として、物件価格の約10〜20%を準備できるのが理想的とされています。
- 諸費用
建売住宅の場合、諸費用は物件価格の7〜9%程度が目安となります。「住宅金融支援機構」のサイトでは、住宅ローンをシミュレートできます。ぜひ参考にしてみてください。
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3.老後資金
育児中でも老後資金の準備は後回しにできません。年金だけでは生活費が不足する可能性が高いため、ゆとりある老後を送るためにも、今のうちから老後資金を準備しておくと安心です。
30代の育児世帯には、老後の話は遠い未来のようで、いまいちピンとこないかもしれませんが、今のうちからつみたてNISAやiDeCoなど、少額から始められる制度を活用し、コツコツと資産形成を進めていけば、将来の安心につながります。
老後の資金に2,000万円必要という話がある反面、そこまで必要ではないという意見もあります。老後どのように過ごしたいかにより老後資金の額は変わります。ざっくりとでいいので、年間どのくらいの額があれば老後生活できるかを計算し、定年までに少しずつ老後資金を蓄えていきましょう。
家計にゆとりを生む工夫
育児や住宅ローンに追われる30代世帯でも、ちょっとした工夫で家計にゆとりを持たせることができます。ポイントは「見える化」「分ける」「相談する」「育てる」の4つです。将来の不安を減らすには、現状を把握し、無理なく続けられる仕組みを作ることが大切です。
1.「見える化」|家計の収支を見える化しよう
家計の見直しは、まず今現在の収支を洗い出し、家計簿などで見える化することから始めましょう。無料の家計簿アプリなどを利用してみるのもおすすめです。お金の流れが視覚化され、無駄遣いを減らす効果があります。次に、教育費、住宅ローン、老後資金など必要となる資金を貯める時期と出費のタイミングを時系列で並べ、将来必要となる収支を確認しましょう。
数字で視覚的に確認することで、漠然とした不安が減り、今やるべきことが明確になります。金融庁の「ライフプランシミュレーター」は、将来の家計収支をシミュレートできるため、ぜひ活用してみてください。
2.「分ける」|生活費・目的別資金・将来資金に分ける
お金を「使う」「備える」「育てる」に分けて管理すると、家計がぐっとわかりやすくなります。
- 「使う」ー毎月かかる生活費
- 「備える」ー旅行や進学などの短期目標のための資金
- 「育てる」ー老後や住宅修繕などの長期目標のための資金
それぞれ予算額や目標額を決めておくことで、使いすぎを防ぎ、必要なときに過不足ない資金を用意しておくことができます。
3.「相談する」|FPへ相談して家計の課題を整理する
ファイナンシャルプランナー(FP)への相談は、家計の課題を客観的に整理するのに役立ちます。第三者の視点で見てもらうことで、気づかなかったムダや改善点が見えてくることもあります。
特に、家計管理に不安がある場合は、プロのアドバイスは心強いです。最近では無料相談やオンライン対応も増えているので、気軽に活用してみてはいかがでしょう。
4.「育てる」|無駄な出費を見直し資産形成に回す
毎月の収支を見直すと、無駄な出費が見つかることがあります。たとえば、使っていないサブスクリプションや必要の無い保険などです。こうしたお金を積立投資や貯蓄に回すことで、将来の資産形成につなげていきましょう。
つみたてNISAやiDeCoなど、少額から始められる積立投資制度を活用すれば、無理なく資産を育てることができます。まずは月3,000円から始めてみるのも一案です。
30代育児世帯が備えるべきその他の支出
三大出費以外にも、育児世帯が備えておきたい支出はたくさんあります。急な医療費や住宅の修繕費、子どもの成長に伴う費用、家族のライフイベントなど、予測しづらい出費が家計を圧迫することもあります。これらは「いつか必要になるかもしれないお金」として、日頃から少しずつ準備しておくことが安心につながります。
急な医療費や修繕費への対応策
子どものケガや病気、家の設備トラブルなどは突然やってきます。たとえば、体調不良やケガで通院が続いたり、給湯器が故障したりすると、数万円〜十万円単位の出費になることもあります。
こうした予期せぬ支出に備えるために「生活防衛資金」として、最低でも月収の3〜6か月分を貯めておくのが理想です。別口座に分けて管理すれば、いざというときにすぐ使えて安心です。
進学以外の子どもの成長に伴う費用
教育費以外にも、子どもの成長に合わせて必要になるお金は意外と多いです。たとえば、習い事や部活などで使用する道具や、学校の制服、スマホ代、部活動の遠征費などが挙げられます。中学・高校になると、交際費や交通費も増えていきます。
年間で見積もると、10万円以上かかることも珍しくないため、これらは毎月の生活費とは別に「成長費」として予算を組んでおくと、急な出費にも慌てず対応できます。
結婚・転職など家族のライフイベント資金
子どもの結婚祝い、転職や引っ越し、親の介護準備など、家族のライフイベントは、まとまったお金が必要になります。これらはタイミングが読みにくく、資金の準備がないと家計に大きな影響を与えることもあります。
そのため、毎月少額でも「イベント資金」として積み立てておくことで、将来に対する安心感を持つことができ、さらに家族の選択肢を広げることができます。
まとめ
30代の育児世帯にとって、教育費・住宅費・老後資金の三大出費は避けて通れません。どれも金額が大きく、タイミングも異なるため、早めの準備が鍵になります。さらに、医療費やライフイベントなどの予期せぬ支出にも備えておく必要もあります。
そのためには、しっかりとライフプランを立て、将来の不安を少しでも減らしていくことが大切です。また、将来のライフプランは途中で変更になることも大いにあるため、柔軟な姿勢が大切です。小さな一歩が、将来大きな支えになります。まずは家計簿をつけてみるなど、できることから始めてみることが大切です。

