「駅近が便利なのはわかってる。でも、住居の広さや静かな住環境も捨てがたい。」
「多少通勤時間がかかっても、子どもがのびのび過ごせる広い家に住む方が幸せだろうか。」
「駅近住まいで通勤時間を短縮して、その分家族の時間に充てるべきか。それとも、郊外に住み、休日は自然豊かな環境で子どもたちと遊ぶ時間を充実させるか。」
このような悩みは、子育て世帯なら誰もが一度は考えるのではないでしょうか。子育て世帯の住まい選びは、交通アクセスひとつとっても悩みが尽きません。暮らしの利便性に直結する交通アクセスは、住環境を左右する重要な要素です。特に子育て世帯は、保育園や幼稚園、習い事の送迎、通学、買い物、通院など 日常的に移動機会が多いため、移動手段の良さは暮らしの快適さに直結します。
本記事では、子育て世帯が交通アクセスを選ぶ際に押さえておきたいポイントを、駅近・バス便それぞれの特徴を比較しながら丁寧に解説します。後悔しない住まい選びのヒントを、ぜひ参考にしてください。
駅近物件のメリット・デメリット

駅から徒歩圏内にある「駅近物件」は、利便性の高さから世代を問わず人気があります。特に共働き家庭や、電車通勤・通学が日常的なライフスタイルの場合、駅近の恩恵は大きいでしょう。
駅近物件のメリット
- 通勤・通学の移動時間が短くて済む
- 買い物・外出が便利
- 高い資産価値を期待できる
駅近物件は、駅までの移動時間が短くて済むため、保育園の送迎や通勤時間が短縮でき、通勤・通学の時間に余裕が生まれます。また、駅周辺にはスーパーやドラッグストア、飲食店などが充実しており、仕事帰りの買い物も便利です。交通利便性の高い立地は人気があり、住宅購入の場合、将来的に売却や賃貸でも需要が見込めるため、高い資産価値が期待できます。
駅近物件のデメリット
- 家賃・物件価格が高め
- 騒音や、人や車の往来が気になることがある
- 間取りや広さに妥協が必要なケースも
駅近エリアは人気があるため、家賃や物件価格が割高になる傾向があります。また、駐車場がない物件も多く、駐車場代が郊外の物件より高めの傾向があるため、車を所有している場合注意が必要です。駅周辺は交通量や人の往来が多く、静かな環境を求める家庭には不向きな場合も。また、居酒屋が近所にある場合、夜間酔っ払い客などの騒音や、治安面で不安を感じることもあるかもしれません。
駅近エリアは、ファミリー向けの広い物件数自体が少なかったり、需要が多いため、なかなか空きが出なかったりする場合があり、希望条件との折り合いが難しいこともあります。
バス便物件のメリット・デメリット

駅から離れたエリアに位置する「バス便物件」は、駅近に比べて注目度は低いものの、子育て世帯にとって魅力的な選択肢となることもあります。特に、静かな住環境や広い間取りを重視する家庭には、バス便ならではのメリットがあります。
バス便物件のメリット
- 家賃・物件価格が比較的リーズナブル
- 静かで落ち着いた住環境
- 広めの間取りや庭付き物件が見つけやすい
バス便物件は駅近物件より価格が抑えられる傾向があり、予算に余裕が生まれます。また、駅周辺の喧騒から離れており、自然が多いエリアや住宅街が点在し、子育てに適した環境が整っているため、のびのび子育てすることができます。駐車場付きの戸建ても豊富で、駐車場を借りる場合も、駅近と比較すると安く借りることができるため、車を保有しやすいでしょう。
また、郊外型のスーパーは駐車場も広く設置されているため、車があると、より生活の利便性があがります。店舗と病院が併設した複合商業施設なども郊外にある場合が多いため、そのような商業施設が近くにあると買い物と通院が1カ所でできるため移動が少なくて済むので便利です。
最近はテレワークなどの働き方も増えているため、駅近にこだわらず、バス便物件で心と家計にゆとりを持った生活を選択する人も増えています。
バス便物件のデメリット
- 交通の自由度が低い
- 天候や道路状況に影響を受けやすい
- 駅周辺に比べて商業施設が少ないエリアもある
遅延リスクが高く、時間帯によって便が少ない場合があり、運行時間に左右されやすいところがあります。また、駐輪場代やタクシー代などの費用がかかることもあります。雨の日や渋滞時には遅延が発生しやすく、予定が狂うこともあるでしょう。買い物や外食の選択肢が限られ、車移動が前提になるケースもあります。
駅近・バス便 あなたに向いているのはどちら?

駅近とバス便のメリットデメリットを上記で挙げましたが、自分たちのライフスタイルに合わせ、優先順位を決めて話し合ってみるとよいでしょう。
駅近物件が向いているのはこんな家庭
- 共働きで通勤時間を短縮したい
- 保育園や幼稚園、学校、習い事、通院など、子どもの送迎が頻繁にある
- 将来的な資産価値も重視したい
バス便物件が向いているのはこんな家庭
- 子どもがのびのび過ごせるように、住まいの広さを重視したい
- 静かな環境で子育てしたい
- 予算を抑えてゆとりある暮らしをしたい
子育て世帯が重視すべき5つのポイント

駅近か、バス便か、というポイント以外にも、子育て世帯が住まい選びで意識したい5つのポイントをここでは挙げていきます。
1.保育園・幼稚園・学校へのアクセス
- 徒歩圏か、スクールバスなどの送迎があるか
- 通学路の安全性(歩道の有無、交通量、街灯の有無など)
子育て世帯にとって、保育園や幼稚園、小学校への通いやすさは最優先事項のひとつです。特に子供が小さいうちは、親の送迎頻度が高くなるため、アクセスのしやすさは暮らしの質に直結します。また、通学路の安全性も見逃せません。歩道の有無や交通量、街灯の明るさなど、子どもが安心して通える環境かどうかを事前に確認しておきましょう。
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2.日常生活の利便性
- 買い物・病院・公園などの距離
- 公園や児童館など、子どもが遊べる場所が近くにあるか
子育て中は、買い物・病院・公園など、日常的に利用する施設が近くにあるかどうかは重要です。ベビーカーや荷物を持っての移動が多い時期には、移動距離の短さが大きなメリットになります。駅近エリアは商業施設や病院などが充実し、利便性の良い生活環境である場合が多いですが、バス便エリアも、大型スーパーや医療機関が充実しているエリアの近所に住んだり、車を利用したりすることにより、買い物や移動の不便は解消され、快適な環境を得ることができます。
実際に周辺を歩いてみて、生活動線をイメージすることが大切です。
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3.通勤時間
共働き家庭の場合、通勤時間の短縮は家族の時間を確保するうえで重要な課題です。駅近物件は電車通勤に適しており、朝の慌ただしい時間帯も、駅まで短時間で移動できることが強みです。バス便エリアも、バス停の近くに住む、駅まで自転車で行く、車通勤する、などで通勤の負荷と時間を減らすことが可能です。
通勤時間が長いと、保育園の送迎や家事との両立が難しくなる可能性があるため、勤務先までの通勤時間をあらかじめ確認しておきましょう。
4.休日の過ごし方
週末の過ごし方も、住まい選びの大切なポイントです。のびのびと子どもを育てたい家庭には、バス便エリアの自然豊かな環境や、公園の多い地域はおすすめです。都市型のライフスタイルを好む家庭には、駅近の利便性やイベント・施設へのアクセスの良さは大きなメリットになります。
家族の価値観に合った環境を選ぶことが、生活の質の満足に繋がります。
5.将来的な資産価値・住み替えの可能性
- 子どもが成長した後の住み替えを視野に入れるか
- 売却・賃貸のしやすさ
子どもが成長した後のライフステージを見据えて、住まいの資産価値や住み替えのしやすさも考慮しておきたいポイントです。駅近物件は需要が多いため、売却や賃貸に出しやすい傾向があります。資産価値は立地だけでなく、地域の発展性や人気の学区、大型商業施設が近くにあるなどの条件でも左右されるため、バス便も場所により、資産価値の高いエリアがあります。長期的な視点で、資産としての価値をチェックしておくと安心です。
まとめ

交通アクセスの選択は、単なる移動手段の話ではなく、家族の暮らし方そのものに関わる大切なテーマです。駅近の利便性を取るか、バス便のゆとりある住環境を選ぶか。その答えは、家庭ごとの価値観やライフステージによって異なります。今の暮らしだけでなく、5年後、10年後の暮らしを見据えながら、家族にとって何が心地よいのか、何を大切にしたいのか、この機会にじっくり話し合ってみてはいかがでしょう。
通勤時間の短縮が家族の時間を生むこともあれば、自然に囲まれた環境が子どもの感性を育むこともあります。住まい選びは、未来の暮らしを描くこと。交通アクセスという視点から、自分たちらしい暮らしの形を見つけるヒントになれば幸いです。