不動産購入は人生の大きな決断の一つであり、物件の購入価格だけでなく、さまざまな諸経費がかかることを忘れてはいけません。これらの費用は、物件の選定や予算計画を左右する重要な要素です。ここでは、不動産購入時にかかる主な費用について詳しく解説します。

◎第1ブロック:不動産購入時にかかる諸経費の概要
・不動産購入時にかかる主な費用とは?
◎第2ブロック:不動産購入に直接かかる主な諸経費
・仲介手数料
・印紙税
・登記費用
①登録免許税
②司法書士の報酬
・住宅ローン関連費用
①融資事務手数料
②印紙代
③金利
・火災保険料
◎第3ブロック:不動産購入後に必要な主な諸経費
・固都税(固定資産税と都市計画税)
・引越し費用
・リフォーム費用
・不動産取得税
◎第4ブロック:最後に
第1ブロック: 不動産購入時にかかる諸経費の概要
不動産購入時にかかる主な費用とは?
不動産購入時に発生する費用は、大きく分けて「購入に直接かかる費用」と「購入後に必要な費用」の二つに分けられます。前者には物件価格の他に仲介手数料や印紙税、登記費用などが含まれ、後者には引越し費用やリフォーム費用、固定資産税などが含まれます。
さらに、不動産購入に伴う費用は物件の所在地や購入方法によっても異なります。例えば、新築物件と中古物件ではかかる費用が異なり、また、都市部と地方では諸経費の相場も変わってきます。これらの要素を総合的に考慮することで、より正確な予算計画を立てることが可能です。
第2ブロック: 不動産購入に直接かかる主な諸経費
仲介手数料
不動産会社に購入の仲介を依頼する場合、その成功報酬として仲介手数料が発生します。
仲介手数料の上限は以下のように法律で決められています。
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成約価格 |
仲介手数料の上限 |
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200万円以下 |
(税抜)成約価格×5%+消費税 |
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200万円を超え400万円以下 |
(税抜)成約価格×4%+2万円+消費税 |
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400万円を超える金額 |
(税抜)成約価格×3%+6万円+消費税 |
※例えば、成約価格3,000万円の仲介手数料は以下のようになります。
3,000万円×3%+6万円+消費税(10%)=105.6万円
仲介手数料の支払い時期は依頼した不動産会社によりますが、一般的に契約時半額、決済時(引渡し)半額になるケースや、決済時に全額支払うケースのどちらかになります。
『補足説明』
仲介手数料計算式に記載のある「+2万円」や「+6万円」についての考え方ですが、これは速算式と関係してきます。上記例にある成約価格3,000万円のケースで考えると、本来の仲介手数料計算は以下のようになります。
①0~200万円 ⇒ 200万円×5%=10万円
②201万円~400万円 ⇒ 200万円×4%=8万円
③401万円~3,000万円 ⇒ 2,600万円×3%=78万円
①+②+③+消費税(10%)=105.6万円となります。
ただこれらの方法で計算すると時間がかかるので、仲介手数料計算を簡略化する為、「+2万円」や「+6万円」を用いることになります。
印紙税
不動産売買契約書には印紙税がかかります。印紙税の額は契約金額によって異なり以下の通りとなります。また2027年3月31日までは軽減措置が適用となっています(記事作成現在)。
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記載金額 |
本則税率 |
軽減税率 |
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10万円を超え50万円以下のもの |
400円 |
200円 |
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50万円を超え100万円以下のもの |
1,000円 |
500円 |
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100万円を超え500万円以下のもの |
2,000円 |
1,000円 |
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500万円を超え1,000万円以下のもの |
1万円 |
5,000円 |
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1,000万円を超え5,000万円以下のもの |
2万円 |
1万円 |
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5,000万円を超え1億円以下のもの |
6万円 |
3万円 |
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1億円を超え5億円以下のもの |
10万円 |
6万円 |
登記費用
不動産購入時には、所有権移転登記が必要です。この手続きは司法書士に依頼することが一般的で、依頼費用がかかります。登記費用は大きく分けて、登録免許税と司法書士の報酬に分けられます。
①登録免許税
(税理士法人東京シティ税理事務所著「住まいと暮らしの税金の本2024」参照)
不動産の所有権移転や抵当権設定(住宅ローン借入の場合)にかかる税金で、税率は以下の通りとなります。また2025年3月31日までは軽減措置が適用となっています(記事作成現在)。
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課税標準 |
税率 |
マイホーム軽減税率 ※1 |
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建物 |
移転登記 |
固定資産税評価額 |
20/1000 |
3/1000 |
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土地 |
移転登記 |
固定資産税評価額 |
20/1000 |
15/1000 ※2 |
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抵当権の設定登記 |
債権金額 |
4/1000 |
1/1000 |
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※1 マイホーム軽減税率適用要件(中古住宅)
・自己居住用住宅であること
・取得後1年以内に登記されたもの
・登記床面積50㎡以上
・登記簿上の建築日付が昭和57年1月1日以降であること
上記以外の場合「耐震基準適合証明書が取れたもの」又は「既存住宅売買瑕疵保険に加入したもの」
※2 土地に関してはマイホーム問わず15/1000となります。
例えば、売買金額3,000万円のマンション(建物評価額760万円、土地評価額450万円)を住宅ローンを利用して購入する場合の登録免許税(※1適用)は、
①建物:760万円×0.3%=22,800円
②土地:450万円×1.5%=67,500円
③抵当権設定:3,000万円×0.1%=30,000円
①+②+③=120,300円となります。
②司法書士の報酬
登記手続きを依頼する司法書士への報酬です。一般的には15万円ぐらいまでが相場ですが、物件の種類や所在地、登記の内容によって増減します。
住宅ローン関連費用
不動産購入時に多くの方が利用する住宅ローンには、ローンの返済額以外にもさまざまな費用がかかります。これらの費用を理解し、計画的に予算を組むことが大切です。
①融資事務手数料
住宅ローンの借入時に金融機関へ支払う手数料で、一般的には融資額の2.2%(消費税込)をお支払いします。
※例えば、住宅ローン3,000万円融資の場合、3,000万円×2.2%=66万円(税込)
②印紙代
金融機関と住宅ローン借入の契約(金銭消費貸借契約)を締結する際に必要で、借入金額によりますが2万円程必要です。
※電子契約の場合は不要です。
③金利
金利の種類には固定金利と変動金利があります。固定金利は借入期間中の金利が一定であるのに対し、変動金利は市場の金利動向に応じて変動します。金利の選び方は、返済計画やリスク許容度によって異なります。
火災保険料
住宅ローンを利用する場合、火災保険への加入が義務付けられることが一般的です。火災保険は、火災や自然災害による損害を補償するもので、物件の築年数や構造、保険の内容によって保険料が決まります。地震保険は任意加入ですが、地震による損害を補償する為、加入頂くことをお勧めします。
多くの方が5年間分一括で加入され、数万円~数十万円をお支払いされます。
第3ブロック: 不動産購入後に必要な主な諸経費
固都税(固定資産税と都市計画税)
不動産を所有する場合、毎年固定資産税と都市計画税が課されます。これらの税額は、物件の評価額や所在地によって異なります。固定資産税は、一般的に評価額の1.4%程度が目安となり、都市計画税は0.3%程度です。
納税は一括または年4分割から選択できますが、年額数万円~数十万円と高額になる為、あらかじめ準備が必要です。
引越し費用
新居に移る為には、引越し費用が必要です。引越し費用は、荷物の量や移動距離、引越しの時期によって大きく変わります。繁忙期を避け、複数の引越し業者から見積もりを取ることで、費用を抑えることができます。
リフォーム費用
中古物件を購入する場合にはリフォーム費用も考慮する必要があります。リフォームの内容や規模によって費用は異なりますが、事前にしっかりと計画を立てることで、予算オーバーを防ぐことができます。
参考までに、近年、物価上昇に伴いリフォーム費用も高額化しており、水回り交換(風呂、キッチン、トイレ、洗面台)だけでも250万円~300万円程必要なケースがあります。
不動産取得税
不動産を取得した際に一度だけ発生する税金のことで、通常、所有権移転後4~6か月後に納税通知書が届きます。納税額は建物(宅地)の大きさや築年数等により変動し、内容によっては税金が発生しないケースもあります。
第4ブロック:最後に
不動産購入には多くの経費が伴い、それらを事前に把握しておくことは非常に重要です。また、不動産購入後に発生する税金等についても理解しておく必要があります。
予算を立てる際には、各専門家から事前に見積もりを取り、具体的な費用感を掴むことが大切です。
この記事が、不動産購入を考えている方々の参考になれば幸いです。

