市街化調整区域の土地ってなんだろう?そもそも建物建てられないって聞いたけど…とお困りではないでしょうか。
結論から言うと、条件さえ満たせば市街化調整区域にも建物は建てられます。
その際に許可が必要になりますが、その許可を「開発許可」や「建築許可」と言います。
本記事では以下のことがわかります。
- どんな場合に許可が必要なのかがわかります
- 都市計画法のことがわかります
- 市街化調整区域についてわかります
- 市街化調整区域のメリットがわかります
- 市街化調整区域のデメリットがわかります
兵庫県西宮市にある秋山グループ株式会社では、市街化調整区域内での不動産の売買も承っております。
ぜひ本記事を最後までご覧になり、市街化調整区域内の不動産取引の参考にしてください。
住宅建築するのに建築許可が必要な場合がある
建築許可とは建物を建てる際の許可申請
建築許可申請とは建物を建てる際に許可権者(主に都道府県知事)に 「ここに建物を建てたいんですけどいいですか?」 とお願いする行為です。
え、自分が買った土地なのになんで許可がいるの?と疑問に思いましたよね。
日本では「都市計画法」という法律で建物を建てる際には許可が必要な場合がある、と定められているからです。
誰でも好き放題に建物を建てていくと街づくりがめちゃくちゃになってしまうので、ちゃんとルールを決めよう。という目的で作られたのが都市計画法です。
面積や場所、建物の使い道などによって許可が必要な場合、許可が要らない場合というのが都市計画法によって厳格に定められています。
都市計画法とは街づくりのための法律
では都市計画法についてもう少し見てみましょう。
都市計画法によって日本中の国土が区分けされており、その区域ごとに建物を建てるルールが定められています。
区分けされた中で市街化調整区域という区域がありますが、市街化調整区域に建物を建てる時には原則許可が必要と都市計画法で定められているのです。
※例外はあります
建築許可と開発許可の違い
実は都市計画法には「建築許可」という言葉はありません。
では建築許可という言葉はどんな時に使うのでしょうか。
都市計画法では開発行為をする際に行う許可申請のことを「開発許可」と言います。
そして開発行為の定義ですが、都市計画法では以下のように定義しています。
「主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行なう土地の区画形質の変更をいう」
(都市計画法4条12項)
つまり、建物を建てるために土を掘ったり、土を入れたりすることです。
では、建物を建てるけど地面は全く触らない。と言った場合はどうでしょうか。
そういう場合に一般的に使われている言葉が建築許可なのです。
触らないと言っても現実的には不可能なので、自治体によって「土を入れて地面の変わる高さが30㎝までなら開発行為にはなりませんよ」といった基準があります。
◇市街化調整区域には原則建物建築は不可
市街化区域と市街化調整区域の違い
都市計画法では日本の国土を細かく区分けしています。
その中で人口の約9割の人が住んでいる地域が都市計画区域です。
そして、都市計画区域の中では、主に市街化区域と市街化調整区域に分かれています。
ざっくりいうと、市街化区域とは建物を建てて町として発展させていこうという区域。
対して市街化調整区域は、建物を建てるのはやめて農地や山林を守っていこうという区域です。
そういった目的がある区域なので、市街化調整区域には原則は建物は建てられません。
市街化調整区域にも住宅は建てられる
原則建物を建てられない市街化調整区域ですが、絶対に建てられない。ということはありません。
一定の基準を満たすことで住宅を建てることができます。
どのような基準を満たせば住宅を建てられるのか、代表的なものを2つ紹介します。
ちなみに建設予定地が農地の場合、別に「農地転用」という手続きが必要です。
【関連記事】農地に住宅を建てるには農地転用が必要!農地転用にかかる費用や流れを徹底解説! | 秋山グループ株式会社
分家住宅
農家等の分家住宅という方法でも住宅を建てられる可能性があります。
分家住宅は本家から分かれて新しく家を建てることです。
長いあいだ市街化調整区域に住んでいたお父さんが近くに土地を持っていて、そこに息子が住宅を建てるといったケースが代表的です。
分家住宅は各自治体によって基準が違いますので、役所に行って確認しましょう。
既存宅地
市街化調整区域だけど、都市計画法ができる前から建物が建っていたなら新たに建ててもいい、という基準です。
都市計画法が制定される前から人が住んでいたのに、ある日突然「あなたの土地は今日から市街化調整区域ですよ」って決められたら理不尽だと感じるはずです。
そこで都市計画法が制定される前から建物が建っていたこと(宅地利用)を証明できれば、開発(建築)許可が認められるという制度ができたのです。
既存宅地には他にも基準があるので、自治体にしっかり確認をしましょう。
◇市街化調整区域のメリット
あまりいいところがないように思える市街化調整区域ですが、メリットもあります。
人によっては、建物が建つなら市街化調整区域の方がいい!という人もたくさんいます。
それでは市街化調整区域に建物を建てる場合のメリットを紹介します。
土地の価格が安い
一番に上がる市街化調整区域のメリットは何といっても、土地の価格が安いことでしょう。
本記事でも紹介しているように、建物を建てづらいから、等の理由で市街化調整区域は土地の価格が安い傾向にあります。
その分建物に予算をかけられるのは非常に魅力といえます。
市街化調整区域の土地の価格は、市街化区域での同じような条件の土地の7~8割程度に抑えられ、場合によっては半額程度となることもあります。
土地の維持コストが安い
土地自体の価格が安い以外でも経済的なメリットがあります。
それは税金が安いということです。
固定資産税は土地の評価額で決まるため、そもそもの土地が安い市街化調整区域の土地は固定資産税が安くなります。
また都市計画税もかかりません。
※例外はあります
都市計画税は町を発展させるための税金なので、そもそも発展をさせない市街化調整区域では不要というわけです。
住宅を持っている人にとって、税金関係、特に毎年の固定資産税は大きな負担になるため、大きなメリットと言えるでしょう。
静かで落ち着いた環境が手に入る
市街化調整区域では建物を建てるのに許可が必要なため、基本的に建物が少ないです。
そのため、ご近所トラブルや騒音に悩まされることが少ないのも大きなメリットでしょう。
広い庭を構え休日にバーベキューをしたり、家庭菜園に精をだしたりと都会では味わえないような体験ができます。
自然に囲まれ、スローライフを送りたいという人にとっては住みやすい地域と言えるでしょう。
◇市街化調整区域のデメリット
次に市街化調整区域のデメリットを見ていきましょう。
住宅ローンが組みづらい
市街化調整区域の土地に住宅を建てる際に、住宅ローンの利用が難しいという問題があります。
土地や建物の売却が難しいため、担保としての価値が低くなってしまうからです。
そのため住宅ローンを利用できない場合も考えておかないといけません。
それでは、市街化調整区域に住宅を建てようと思ったら必ず一括で払わないといけないの?と思いますよね。
絶対に住宅ローンを組めないかといったら、そうでもありません。
市街化調整区域であっても、金融機関によっては「再建築が可能」という確約があれば住宅ローンを利用できる場合もあります。
市街化調整区域に住宅を建てることを考えているのであれば、同時に複数の金融機関に相談することをおすすめします。
改築や建て替えにも許可が必要
市街化調整区域では住宅を新築するだけでなく、改築や建て替えの際にも原則として許可が必要です。
市街化調整区域での建物の許可は複雑です。
今建物が建っていたとしても、その建物がもともとどういう許可条件で建っているのかによって、再建築の際に許可が必要かどうかも変わってきます。
建物を壊して更地にしてしまうと再建築が不可能になってしまうケースもあります。
建物を壊してしまう前に、必ず役所に相談をしましょう。
インフラ整備が遅れやすい
市街化区域と比べ、市街化調整区域はインフラの整備が遅れやすい面があります。
市街化調整区域は住宅の建築が前提とされていないためです。
下水道が通っておらず浄化槽の設置をしたり、自身でプロパンガスの契約をしたりなどの必要があることもあります。
その場合は余分に初期費用がかかってしまいます。
また、スーパーやコンビニエンスストアなどの施設が近くになく、不便さを感じる人も多いでしょう。
まとめ
建築許可と市街化調整区域について解説しました。
都市計画法は非常に難解でわかりづらい法律です。
そのうえ市街化調整区域は、新たに建物を建てる際も開発許可等、様々な法令が関わってくる区域です。
市街化調整区域の土地の購入をお考えであれば、ぜひ専門の不動産業者に相談しましょう。
本記事を参考にしていただき、不動産取引の成功を祈っています。

