農地に住宅を建てようと、行政書士に農地転用申請の依頼をしたけど、「この農地転用には確定測量が必要ですね」と言われる場合があります。
またさらに手続きが必要?そもそも確定測量って?とお困りではありませんか。
農地転用の際には「この土地を転用して家を建てますよ」と隣地の所有者に言うわけですが、隣の所有者から言わせると
「どこからどこまでがあなたの土地なの?」
「一応境界を決める杭(目印)があるけど本当に合っているの?」
という疑問があるわけです。
計画地の土地と、隣地の土地との「境界」を「確定」させる事を「境界確定」といいます。
この手続きを行わないとトラブルになる可能性が高いのです。
この記事を読んでわかること
- ・農地転用と境界確定の関係がわかる
- ・境界確定とは何なのかわかる
- ・境界確定がなぜ必要かわかる
- ・境界確定の流れがわかる
- ・境界確定は誰ができるのかわかる
ぜひ本記事を読んでいただき、農地転用における境界確定の知識を深めていただければ幸いです。
農地転用における境界とは

なぜ境界確定が必要なのか?
農地に家を建てる場合、農地転用や開発許可という行政への許可(もしくは届出)を経て工事へと進んでいくわけですが、一番最初にやることとして境界確定があります。
転用を予定している土地がどこからどこまでで、面積は何㎡なのかをはっきりさせないといけません。
農地での境界に関しては、正確に測っていない場合がほとんどです。
そのため土地所有者同士で認識が違っていることがあります。
慣習で昔から所有者同士で境界を決めている場合もありますが、あいまいなことが多いので、境界をはっきりさせないまま計画を進めてしまうと後々トラブルになってしまう可能性があります。
そのため一般的には境界確定が必要になるのです。
事実上必須と言ってもいいでしょう。
行政書士では境界確定はできない
一般の方が農地に家を建てようとする場合に、自分で農地転用の申請をしようとすると非常に時間と手間がかかります。
そこで行政書士に依頼をする場面が多々あります。
しかし、行政書士は農地転用や開発許可の申請はできますが、境界確定に関しては業務としてできません。
そこで登場するのが土地家屋調査士という国家資格者です。
「地目変更登記」という手続きが土地家屋調査士でないとできないからです。
ですので、境界確定も土地家屋調査士が担当するという流れが一般的です。
行政書士が土地家屋調査士を紹介してくれる場合が多いですが、自分で探してみるのもいいでしょう。
【関連記事】日本土地家屋調査士会連合会
境界確定測量の流れ

では境界確定の実際の流れを解説します。
現況測量
まずは建築予定地の測量を行います。
仮測量という呼び方もします。
大体の境界の位置を割り出し、仮の杭(またはプレート)を設置します。
杭と杭を結んだ線が境界線となります。
市町村や土地改良区へ申請
境界を確定させるためには計画地のすべての隣地の所有者が実際に現地で確認をしないとなりません。
では隣地が道路や水路など、所有者が市区町村や土地改良区場合はどうするのでしょう。
所有者が市区町村だった場合には市区町村の担当窓口へ立合いの申請をします。立合い当日は担当の職員が来てくれます。
また、所有者が土地改良区の場合には市町村と同じように、土地改良区へ連絡をして立合いの申請をします。
「この日に立合いをしたいから来てくださいね」とお願いするわけです。
隣地所有者へ立合いの依頼
ここが山場といっていいでしょう。
隣地所有者に連絡を取り、立合いのお願いをします。
隣地所有者からすると、いきなり立合いを求められても「なにか騙されるんじゃないか?」と身構えてしまいます。
ここで誤った行動をしてしまうとこの後の流れが一気に滞ってしまうのです。
例えば、土地家屋調査士が「境界立合いを行うので、来てくれませんか?」とお願いしたところ「なぜ本人から何の連絡もしてこないんだ」と立腹され、説得するまで非常に時間を要してしまう。というケースもあります。
ただ、隣地所有者からしてもメリットはあるので、そこを上手く伝えることができればスムーズに立合ってもらうこともできるでしょう。
隣地所有者にとってのメリットとは、もしも自分が同じようにその土地を売ったり家を建てたりするとなると、やはり境界確定が必要になり手間と時間と費用がかかってしまいますが、今回境界確定をしておけばもうやらなくて済みます。
ましてや隣地からの立合いを断るようなことをすれば、自分が境界確定をするときに昔立合いを断った人に立合いのお願いをしに行くわけです。
交渉が難航するのは目に見えています。
境界確認の立合い
基本的には隣地所有者の都合に合わせた日程が設定されますが、隣地所有者が複数いて日程が合わない場合、何日かかけて行う場合もあります。
該当の土地に土地所有者、隣地所有者、市区町村の担当窓口の職員、土地家屋調査士などが一つ一つの杭を目視で確認していきます。
場合によっては、ハウスメーカーの担当者、建築業者、行政書士なども参加して大人数になることもあります。
関係者全員(各土地の所有者)が杭の位置の確認が完了して「筆界確認書」に署名捺印をしたところで、立合いが終了となります。
このとき、登記簿謄本と実際に測った面積が違うときには、土地家屋調査士が法務局に面積の更生手続き(地積更生登記)を行う場合もあります。
そして隣地所有者の方とは円満な関係を維持したほうがいいでしょう。
隣地所有者がその土地の近くに住んでいるとは限りません。
わざわざ遠くから来てくれることもありますので、その場合は手土産を用意するなどといった気配りも必要でしょう。
土地の問題は自分だけではなく、子ども、孫の代まで続いていくものですからお互いに理解を深められたらいいですね。
農地転用申請
境界確定が終了すると、農地転用の申請に入ります。
自治体によりますが大体1.5か月~2か月ほどで許可が下りる、という流れになります。
市街化調整区域での住宅建築の場合は同時に「都市計画法」での開発許可申請も必要になることが一般的です。
農地転用と開発許可申請は窓口は別ですが、行政同士で連携がとれており同時に許可が下りることが多いです。
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転用後に地目変更登記
農地転用や開発許可の許可が下りたら終わり、ではありません。
登記簿謄本に載っている「地目」を変更しなければならないのです。
地目とは土地の目的、つまりその土地が何の用途で使われているかを表すものです。
「畑」「田」「宅地」が一般的な地目です。
地目に変更が生じた場合には、1か月以内に地目変更登記をしなければならないと、不動産登記法という法律で定められています。
確定測量に関してのよくある質問

役所で「家を建てるなら分筆が必要」と言われたのですがどういうことですか?
分筆とは土地を2筆以上(土地は1筆、2筆と数えます)の土地に分割することです。
土地を分けたことを法務局に登記することを「分筆登記」といいます。
農地は面積が大きい場合が多く、一定の大きさの土地(500㎡以下であることが多いです)でないと住宅建築の許可が下りないことがあります。
その場合に土地を、基準以下の面積にするために分筆登記をする必要があります。
分筆登記も土地家屋調査士の仕事となります。
土地家屋調査士と司法書士の違いはなんですか?
司法書士は登記の専門家ですが、登記にも種類があってその一部の登記しかできません。
種類というのは「表題部」と「権利部」です。
このうち「表題部」については土地家屋調査士、「権利部」については司法書士の仕事となります。
土地家屋調査士と測量士の違いはなんですか?
測量士は測量法に基づいて、地方公共団体などの測量を行いますが、登記を目的とした測量は行えません。
一方、土地家屋調査士は、不動産の表示に関する登記に必要な調査や測量、申請を専門とし、主に登記のための測量を行います。
つまり土地家屋調査士は、登記を目的とする測量しかできません。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。
農地転用における境界確定とは何なのか、そして境界確定のその流れについて解説しました。
隣地所有者とのトラブルを避けるためにも、境界確定の流れをしっかり把握することが重要です。
少しでも不安な場合は、信頼できる不動産業者に相談しましょう。
本記事を参考にしていただき、不動産取引の成功を祈っています。

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